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危険なのにどうしてこんなに身の回りのものに使われて理由とは

前述のように価格が安くて耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などにとても優れていたからです。無機物なので化学的に変性しにくいという特徴も多くの製品に使われた理由です。熱や酸、アルカリなどの影響を受けづらく、絶縁性も高いので電気による変化も起こりづらいのです。化学的に変性しにくいということはそれだけ耐久性も高いということになります。

アスベストについて正しく知ろう

アスベストってどういうもの?

石綿と呼ばれることからも分かるように、繊維状に変形した天然の鉱石です。無機繊維状鉱物がアスベストと呼ばれます。蛇紋石から生成された石綿は綿のように柔らかいと言われています。無機物なので前述のように変性しにくく、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性に優れています。

無機物なのになぜ危険?

身近な無機物として陶磁器などのセラミックがあり、お皿や茶碗、鍋などが存在します。これらは常温ならば触っても、舐めても、健康被害を受けることはありません。石綿が厄介なのは繊維が非常に細かく、空中に浮遊し、肺に吸い込まれてしまうからです。直径は髪の毛の5,000分の1程度で0.02-0.35 μmと言われています。

アスベストの粉塵や微粒子は吸い込んでしまうと排出するのが困難で、分解もされないので肺の細胞にそれらが蓄積されていきます。蓄積され続けると肺が疾患を起こします。

アスベストが原因で起こる主な病気

塵肺 肺が炎症を起こすことによって腫れて厚くなり、膨張と収縮に支障が出る病気。主な病状 呼吸困難、呼吸不全、咳(呼吸困難や呼吸不全が原因で心不全に陥ることも)
主な病状 咳、痰、息切れ、呼吸困難、動悸
肺線維症 肺が炎症を起こすことによって腫れて厚くなり、膨張と収縮に支障が出る病気。
主な病状 呼吸困難、呼吸不全、咳(呼吸困難や呼吸不全が原因で心不全に陥ることも)
肺がん 肺に発生する悪性腫瘍
主な病状 血痰、慢性的な激しい咳、喘鳴、胸痛 肺は血液が集まるため、がんが転移しやすいと言われている。がんによる死亡のうち肺がんは17%を占め、最も多い。
悪性中皮腫 肺ではなく胸膜に悪性の腫瘍ができる病気。他の臓器への転移はほとんどないが、発見時には手遅れということも多い。
主な病状 胸痛、咳、大量の胸水(胸腔内に液体がたまる)
Copyright © 2018 実はお住まいのさまざまなところに使われていたアスベスト(石綿)